出火防止措置と消火方法


◇出火防止措置

・30m級はしご車が届くのは10階まで。金沢消防署のはしご車は35mまでの建物に届くとのこと(同消防署警防課からの回答)。

11階の床が3m×11階+1m=34mなので、12階以上は届かない。

・ある住戸で出火した場合、割れたガラス戸から上の階の住戸に延焼する場合がある。

 

 〇ガス

・震度5強以上でガスの自動停止が義務付けられている。

・自動停止後のガスの復旧はメーターボックス内のパンフを参照。

 〇電気

・震災時の火災の原因は、東日本大震災では54%が電気関係だった。

建物の倒壊や家具の転倒で配線が損傷し、通電時にショートして出火する通電火災と、ヒーターなどが可燃物に接触して通電時に着火する場合がある。

出典5)総務庁消防庁「地震火災対策について」https://www.fdma.go.jp/publication/ugoki/items/rei_0212_04.pdf

 

・揺れが収まったら家具の移動による配線の切断、電気ストーブに可燃物が触れていないか等の出火防止に必要な確認を行ってもらう。 

・感震ブレーカーは揺れと同時に電気が遮断されるので照明が消えて避難が難しくなり、TVなどからの情報収集もできなくなるので要情報収集。

配電盤に漏電ブレーカーが付いているか?



◇初期消火

・インターコムの左上?の非常アラーム(停電だと鳴らない)。

・玄関の扉の鍵、ドアロッカーを解除し、「火事だー!」と大声で叫ぶ。※1

・管理センターに電話※2

・避難経路を確保して消火(消火器はエレベータ横にもある)。炎が天井に届くか、3分経っても消火できない場合は避難

・避難時は、可能なら扉、窓を閉める(空気の遮断)。

・玄関からの避難が難しければ、南側バルコニーから出て隣家に避難

 

※1:一人暮らし世帯では初期消火と通報の両方を迅速に行うのは大変。家族と暮らしていても震災時に帰宅難民になっている場合もある。震災時に停電すると火災探知器等が働かず、管理センターの火災監視盤にも警報が届かない。震災発生時は各住戸が扉を開けたままにして、助けを呼ぶ声や煙・異臭などの異常に気付きやすいようにすることが必要。

※2:119よりも管理センターに連絡すると、一斉放送で初期消火の応援を求めることができる。ただし固定電話は黒電話(アナログ電話)でない限り停電すると使えない。携帯電話も回線が混雑して繋がりにくくなる。たとえ消防署に電話できたとしても消防車が出払っていてなかなか来てもらえないかもしれない。階段全体で省力戦で消火するぐらいの気持ちでいる方がいいのかもしれない。

 

(参考)

火災の初期消火 消火器の使い方・消火器ない場合はどうする?(NHK 災害列島 命を守る情報サイト)

マンション専有部で火災が発生!初期消火が可能と判断したときの行動マニュアル(防火管理者外部委託サービス(株)メルすみごこち事務所)

火災を防ぐ初期消火の方法(ASLOK)


◇通電火災

 安否確認で応答がない場合、中の人が助けを呼べない、または助けを呼ぶ声が聞き取れない場合が考えられる。

 帰宅難民などで本当に誰もいなかったとしても、配線が損傷し、地域の電話が復旧した時になっても帰宅しなかったら、通電火災が起きて初期消火もできない事態も起こりうる。

 このため、24時間経っても安否確認できない住戸については、本人または親族の緊急連絡先に確認するか、あるいはその手続きを省いて、必要ならバルコニーから突入する必要があるかもしれない。