8.フェーズ毎の行動基準
(1)「震災直後」の行動基準(目安:震災後1日目)
(概要)
・居住者それぞれが第1編に沿って身を守り、家族の安全を確認し、安否確認ステッカーを貼り出し、近隣同士で安否を確認し合う。以下、「居住者の行動基準」はここでは記載しない。
・統括グループは、まずは負傷者の発生、出火、漏水など居住者から管理センターへの電話に応対することを最優先。
・各棟階段グループは、安否確認(1回目)。
・排水の禁止、ライフラインの点検など2次災害を防止する行動を一斉放送し、居住者の求めに応じて支援する。
・自動停止したガスの復旧。停電の原因が1住戸内である場合は、ブレーカーの復旧を支援。
(対策本部の発足)
・地震速報で金沢区が震度5強以上の場合(注21)、若しくは、5弱以下(注22)であってもライフラインの停止、火災・浸水・負傷者の発生ほか被害の発生が管理センターに通報された場合は、管理センター所員が対策本部長(管理組合理事長)に代わって対策本部の設置を一斉放送する。
・対策本部メンバーは自身の安全確保と家族の安否確認が行えた者から対策本部としての活動を開始するものとする。
・ライフラインの停止、負傷者の発生ほか顕著な被害の通報がなかった場合は、統括グループ内の協議により対策本部の発足を解除する。
青字は一斉放送する内容を示す
① 統括グループの活動 | ② 各棟階段グループの活動 |
(地震発生直後) ・管理センター所員ほか統括グループのメンバー(注23)は、震度情報、津波情報(震源位置)を収集する。 ・(津波警報が出た場合)所員より一斉放送:(特に震源地が相模湾~房総半島南端沖の場合)津波警報が出たので、一階居住者は階段の3階以上に避難し、その他の居住者も戸外に出ないこと、野外にいる人々に最寄りの階段に避難するよう呼びかける旨を放送。 |
(地震発生直後) ・各階段グループのメンバーは、防災ラジオ等で地震の震度情報と津波情報を収集する。 ・(津波警報が出た場合)バルコニーから外を見て誰かいたら、津波が来るので、階段の上に避難するよう大声で呼び掛ける。 |
(統括グループ内の分担) ・(震度が分かったら)所員又は管理センターに参集した統括グループのメンバーよりより一斉放送:震度を放送し、対策本部長に代わって対策本部を設置し、対策本部メンバーを招集する旨放送。 ・管理センターに集合した統括グループは、まずは電話受付、火災監視、初期消火支援などの管理センター業務を分担する。 |
(各棟階段グループ内の分担) ・自治会役員等と棟幹事等は、対策本部設置の一斉放送を聞いたら、分担調整会議での取り決めに従って各棟ごとに集まり、在宅メンバーを確認し、各階段の担当と役割分担を決める。 |
(電話受付)(注24) ・手空きの者は、2回線ある電話が話し中にならないよう、電話を受けたら住戸番号と主な内容(火事か負傷者か水漏れかガス漏れか)を尋ね、折り返しインターコムでの通話に切り替えるようにする。 ・安全班は、水漏れ、ガス漏れの通報を受けたら、それぞれ玄関先メーターボックス内の元栓を閉めるよう指示するとともに、修理業者を手配する。 ・救護班は、負傷者の通報を受けたら、ただちに救援に向かう。 |
(安否確認) ・自治会役員等は、安否確認の一斉放送があったら「要援護者マップ」及び「安否情報シート(対策本部用集計表)」を用意して担当する階段の安否確認を開始する。同ステッカーに出火・負傷・水漏れ・ガス漏れについての記載がある場合、要援護者に該当する場合は、声掛けし、助けが求められたら支援する。 ・安否確認ステッカーが貼り出されていない住戸のドアを叩き、郵便ポストを開けて大声で安否を問う。すべての確認が終わったら、安否情報シートを棟幹事等に届ける。 ・棟幹事等は、各階段の安否情報シートを回収し、統括グループに届ける。 |
(出火した場合 )(注25) ・停電中は管理センターで火災探知・ガス漏れ検知ができない。出火元の住戸から通報があったら、安全班は119に通報するとともに、下記のとおり一斉放送する。 ・安全班より一斉放送(該当する棟に):出火した住戸番号を放送。近隣の居住者に初期消火への協力を呼び掛け。炎が天井に届くようになったら、初期消火を断念して避難し、その際、可能なら窓や扉は閉めるよう放送。 ・安全班/情報班より一斉放送(該当する棟に):延焼の恐れがある住戸の居住者に対し、避難先として出火した住戸が面していない階段番号を放送。その際、津波浸水の恐れがある場合は、バルコニーの隔壁板を蹴破って隣のバルコニーに避難するよう放送。 |
(出火した場合) ・火災発生の一斉放送を聞いたら、出火した住戸の階段の自治会役員等は、消火器を持って初期消火に協力する。⇒22ページ参照 ・棟幹事等は、津波警報に注意しつつ、各階段の自治会役員と連絡を取り合い、居住者の避難に際して必要な場合は協力する。 |
(ライフラインの停止・点検) 〇水道(注26)と排水の全面禁止 ・安全班より一斉放送:排水管の健全性が確認されるまでは各住戸の水洗トイレを使用禁止。自宅トイレに非常用トイレを設置してそれを使用するよう放送。 また水道の使用並びにシンク、洗濯機、浴室からの一切の排水の禁止を放送。非常用トイレが設置できない居住者は、点検に伺った自治会役員等に支援を求めるよう放送。
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(ライフラインの停止・点検) 〇排水の全面禁止 ・(居住者から要請があった場合)自治会役員等は、水洗トイレに非常用トイレを設置するのを手伝う、または、管理センターが備蓄している簡易トイレを配布する。 |
〇地域の停電が回復した時 ・地域の停電及び停電からの回復は、非常用発電機の自動起動/自動停止の運転音で分かる(管理センターでよく聞こえる)。 ・安全班は、地域の停電が回復したら、各棟共用部の漏電ブレーカー(各棟に1か所)を調査し、漏電ブレーカーが落ちている場合は、棟のどこかで障害が生じているので、業者に点検・修理を依頼。 ・安全班より一斉放送:さきほど地域の停電が解消したが、〇棟については共用部で配線の異常があり、業者に修理を依頼したが、しばらく停電が続く旨を放送。 それ以外の棟でまだ停電している住戸は、住戸内のブレーカーを点検するよう放送。 住戸内のブレーカーが落ちていたら、住戸内の配線がどこかで損傷した可能性があるので、すべてのコンセントからプラグを抜いて配線の損傷、ヒーターと可燃物の接触がないか確認したうえで、ブレーカーを上げるよう放送。 ・安全班より一斉放送:(出火した場合、越境避難する場合)避難など長時間自宅を離れる場合は、かならずブレーカーを落とすよう放送。 |
〇地域の停電が回復した時 ・(居住者から要請があった場合)自治会役員等は、住戸内のブレーカーが落ちている場合は、すべてのコンセントからプラグを抜いて配線の損傷、ヒーターと可燃物の接触がないか確認したうえで、ブレーカーを上げる。 |
(協力者の募集) ・総括グループより一斉放送:(被害の度合いを勘案して)ライフラインの点検、初期消火、応急手当、水の運搬、日本語が不自由な外国人の支援などでお手伝いいただける方は、管理センター2階に集合いただくよう放送。 |
注21) 地震発生後、しばらくは統括グループが集まって協議することは難しいので、一斉放送が可能な管理センターのアナウンスでもって対策本部を発足させるのが現実的。
注22) 震度5弱以下であっても、階によっては震度5強以上の場合があり得るので、停電や被害の通報があれば、震度5弱でも対策本部を設置。
注23) 管理センター所員は、現在のところ、夜間・休日とも2名が宿直している。
注24) 電話応対の担当班は決めない。内容(火事か負傷者か水漏れガス漏れか)による担当班の振り分けも行わない。
注25) 火災発生は地震発生直後のみならず、通電再開時にも発生する可能性があることに留意。
注26) 停電するとB棟ポンプ室の給水ポンプは停止する。その状態で水道を盛んに使用すると、水圧が低下する。そうなると停電が復旧して給水ポンプを再始動しても水圧がなかなか上がらなくなる。このため、安全班は、停電した場合は各階段1階のSK室内の水道立管のバルブを締める。